コラム

パワハラ上司にありがちな特徴とパワハラをやめさせる方法

■上司からの暴言やイジメでお悩みの方へ

職場の悩みで多いのが、「パワハラ」です。
些細なことで大声で怒鳴られたり、あいさつを無視されたり、仕事を回してもらえないなどつらい思いをされた経験がある方も少なくないことでしょう。
特に、相手が上司の場合だと、やめてくださいと言いにくい場合やほかの社員に相談しにくいことから、一人で悩みを抱え込んでしまう方も珍しくありません。
ただ、一人で耐えていると、仕事のモチベーションが下がったり、うつ病になったりなどいろいろな問題が出てきますので、注意が必要です。
本記事で、パワハラ上司の特徴、具体的な対処方法についてご紹介していきますので、一人で悩んでいる方や解決方法をお探しの方は、参考にしてみてください。

■パワハラの定義とは?

まず最初に、パワハラの定義について、確認しておきましょう。
パワハラとは、パワーハラスメント(Power Harassment)の省略形です。
ただし、この「Power Harassment」は、和製英語となっています。
海外では、「Abuse of Authority」(権限の乱用)、あるいは「Workplace Bullying」(職場でのイジメ)などと表現されることが一般的です。
社長職や上司など職場での立場を利用して、ほかの社員に対して、暴言を吐いたり、暴力を振るったりすることがパワハラと定義されています。
厚生労働省のハラスメント情報サイト「あかるい職場応援団」にも、職場のパワーハラスメントの定義について詳しく記載されていますので、参考にしてみると良いでしょう。

■上司からのパワハラの具体例

上司からのパワハラには、さまざまなケースがあります。
ケースごとにご紹介していきますので、自分の上司がどれに該当するかをチェックしてみてください。

・①身体的な攻撃を行う

背中を叩いたり、頭を小突いたりなど、胸ぐらを掴んだりなど、身体に対して暴力を振るってくるケースです。
蹴ったり、殴ったりなど、強い暴力を加えることで、相手に大怪我をさせてしまうこともあります。
また、直接身体に攻撃を加えずに、ものを投げつけたり、椅子を蹴ったりして威嚇することなども、このケースに該当します。

・②精神的な攻撃を行う

「死ね」「バカ」「無能」など、相手の人格を否定する場合や侮辱する発言で精神的な攻撃を加えてくるケースです。
ほかの社員やお客さんがいる前で怒鳴りつけたり、指導を放棄したり、仕事を与えないことなどもこのケースに該当します。

・③人間関係からの切り離しを行う

上司の個人的な感情だけで仕事のチームから外したり、ほかの社員と席を話して孤立させたりするケースです。

・④過大な要求をしてくる

本人の意思を考慮せずに転勤や海外赴任など迫ったり、達成不可能なノルマを与えたりするケースです。
休日出勤、残業などを無理強いさせることも、このケースに該当します。

・⑤過小な要求をしてくる

まったく仕事を振らない場合やお茶汲みやコピー取りなど簡単な仕事しか与えないケースです。
技術職として採用したのに、掃除以外の業務をさせないなどのケースも該当します。

・⑥個の侵害を行う

家族や宗教などプライバシーに関することをしつこく聞く場合や特定の社員を監視してくるケースです。

■なぜ上司がパワハラをしてくるのか?

なぜ、上司がパワハラをするのだろうと気になっている方もいるかもしれません。
パワハラをする理由については、本人でないとわかりません。
おそらく、いじめっ子体質である場合や攻撃的な性格だからなのでしょう。
あるいは、何かしらのストレスや不満をため込んでいて、立場の弱い部下に八つ当たりしているのかもしれません。
中には、自分を強い人間だと見せつけたいため、部下を管理したいためなどの理由でパワハラをしてくる上司もいるようです。

■どうやったら止めさせることができる?

上司からのパワハラ被害に遭った時の対処方法を、ケース別に見ていきましょう。

・①身体的な攻撃には「やり返さないで証拠を残す」

上司から殴られたり、蹴られたりなどの暴力行為を受けた時には、絶対にやり返してはいけません。
病院で診断書を作成してもらうことやあざなど暴行の証拠を写真に撮っておけば、裁判に持ち込んだ時に有利になる可能性もあります。

・②精神的な攻撃には「暴言を録音しておく」

上司から、「役立たず」などひどい暴言を受けている場合には、ボイスレコーダーで録音しておきましょう。
録音しておけば、労務部などに相談した際に状況をわかってもらいやすくなります。
軽い嫌味や愚痴であれば、最初から聞かなかったことにして受け流してしまうのもおすすめです。

・③人間関係からの切り離しは「第三者の意見を聞いてみる」

プロジェクトから外されるケースは、実は本人の能力に問題があったり、思い込みだったりすることも多いので、パワハラに該当しないこともあります。
自分が社内で孤立していると悩んだ時には、親しい同僚や先輩など、第三者に客観的な意見を求めてみると良いでしょう。
自分だけほかの部屋に移動させられたといったあからさまな嫌がらせの場合には、速やかに人為部や労務部などに相談してください。

・④過大な要求には「できないと伝える」

上司から過大な要求をされた時には、無理して頑張ろうとせずに、勇気を出してできないと伝えることも大切です。
上司と2人だけでの話し合いが難しい時には、ほかの社員にも立ち会ってもらうと良いでしょう。

・⑤過小な要求には「やる気をアピールしてみる」

雑用ばかり押し付けられていて自分の能力が発揮できないと悩んだ時は、上司にやる気をアピールしてみると良いかもしれません。
または、自分からできる仕事を積極的に探してみると良いでしょう。
それでも改善しない時には、人事部や労務部に相談してみてください。
この会社では無理だと判断したら、思い切って転職するという手段もあります。

・⑥個の侵害には「適当にかわす」

プライバシーに関することを聞かれて不快に感じた時は、まじめに答えずに適当にかわしてしまいましょう。
適当にあしらうことを続けているうちに、上司もあきらめて聞いてこなくなるかもしれません。
不必要にデスクやロッカーの中をチェックされるなどの監視を受けている場合には、人事部や労務部に相談してください。

■パワハラを訴えたのに社内で取り合ってもらえなかったら?

勇気を出して社内の法務部や労務部に相談したけど、まったく取り合ってもらえなかった、あるいは、仕事への悪影響が出るなどの理由で、社内の人間に相談しにくい状況の時には、社外の人に悩みを聞いてもらうのもおすすめです。
総合労働相談コーナー、弁護士事務所など、社外にもパワハラ問題の相談を受け付けている機関がいくつかありますので、利用してみると良いでしょう。

・総合労働相談コーナーで相談する

各都道府県労働局には、総合労働相談コーナーがあります。
総合労働相談コーナーでは、解雇や労働条件に関すること以外に、職場のハラスメントに関する相談も行っています。
専門の相談員と直接面談することやお電話で相談することができますので、一人で悩まずに連絡してみてください。
総合労働相談コーナーの所在地については、厚生労働省のホームページに記載されています。
地域によっては女性相談員が対応してくれるところもありますので、男性には言いにくい内容のパワハラも、安心して相談できます。

・法的手段を考えているのであれば弁護士へ相談

損害賠償請求、民事裁判など法的な手段を検討しているのであれば、弁護士事務所に相談してみてはいかがでしょうか?
弁護士に相談する際には相談料がかかってしますが、現実的なアドバイスを受けることができます。
弁護士事務所へ行く際には、病院の診断書、暴言を録音したレコーダーなども持っていくと良いでしょう。

■早めに相談しましょう

上司からのパワハラは、身体的にも、精神的にも大きなショックを受けてしまうことがあります。
上司のタイプによっては、放置していると暴言やイジメなどが日常化することやどんどんエスカレートしていくこともありますので、被害に遭った時には、できるだけ早めに対処したほうが良いでしょう。
社内のハラスメント対策部、人事部、労務部などに相談してみてください。
中小企業やワンマン経営の会社の場合には、社内に相談できる部署が用意されていないこともあるかもしれません。
あるいは、社内の人間には相談しにくい場合には、各都道府県労働局の総合労働相談コーナーを利用してみると良いでしょう。
法的手段に出る場合には、弁護士事務所に相談するのがベストです。

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