コラム

企業が知っておくべき予防法務の重要性

2020/02/12

■企業法務の種類と取り組むべきこと

企業の法務部や顧問弁護士と行う企業法務は、大きくわけて3つのカテゴリにわ分けることができます。
企業間のビジネスや顧客や取引先、地域住民をはじめ、雇用者などとの間で生じた法的な紛争解決を行う臨床法務、近年注目度が増しているM&Aなどを法律的な専門知識を活用して実施する戦略法務、そして、法的紛争を未然に防ぐための対策をあらかじめ講じておく予防法務です。
この点、企業が顧客や元従業員、取引先などから訴えられたことやなんらかのトラブルが生じたことが明るみに出れば、企業のイメージダウンや信用喪失につながりかねません。
消費者による不買運動や取引先が手を引くなど、大きな損失が生じる場合や経営に影響が出る可能性も考えられます。
自社に落ち度はなく、相手が悪いケースで訴えを起こす場合やトラブルに巻き込まれてしまった場合でも、多大な時間やコスト、労力を費やさなくてはなりません。
コスト負担の増大や信用喪失のリスクを回避し、企業経営を安定的かつ継続的に円滑に行っていくためにも、紛争やリスクの発現を事前に予防する予防法務を講じておくことが重要です。

 

■予防法務で行うべきこと

予防法務とは将来的に起こり得る法的紛争やトラブルといったリスクをあらかじめ想定して、それが現実化しないように未然に防ぐ対策を講じることや万が一リスクが顕在化した場合に最短での紛争解決や損失や信用失墜が最小限に抑えられる対策をあらかじめ練っておくことです。
もちろん、いかに徹底した予防対策を講じても、絶対に紛争が起こらないというわけではありません。
どこに火種があるかわかりませんし、ビジネスのグローバル化が進んでいる今の時代は、中国企業の模倣や先行した商標登録など、まったく知らない企業との間で思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
ですが、そうしたリスクもあらかじめ洗い出して、対応を検討しておけば、紛争を早期に解決できることや泥沼化するリスクを抑えられます。
将来の無駄な時間やコスト負担を抑えるためにも、無用なトラブルに備えた予防策を講じておかなくてはなりません。

 

■法令遵守と契約管理の重要性

予防法務において、最も力を入れるべきは法制度の遵守と契約の管理です。
企業は従業員の雇用に関する法制度や取引関連の法制度、会計制度や税制を守らなくてはならず、万が一、ルールを破れば社会的な制裁を受け、信頼を失ってしまいます。
また、企業活動の多くが契約に基づいて進められています。
企業間はもちろん、一般消費者との間でも契約が取り交わされますし、従業員を雇ううえでは雇用契約を締結します。
つまり、社内外で契約が取り交わされることになるため、各種の契約を巡って将来的に揉め事が生じないよう、あらかじめ備えておかなくてはなりません。
契約を結んでしまえば、その契約の効力が発生してしまうので、ドラフト作成の段階や締結をする前に内容を精査することが大切です。
自社に対して不利益な条項の改定や削除をはじめ、有利な条項への改定交渉や追加などのほか、損害賠償額の予定や違約金の条項、解約に関する定めや紛争が生じたときの解決法などを見直し、適切な条項になっているかを精査しましょう。
各種法令も頻繁に改正がなされるので、税制や会計基準、商取引や労務管理における法改正への対応を徹底しなくてはなりません。
現在の企業の契約書類や就業規則、決算のやり方などが法令や制度に即しているか、適宜見直しが必要です。

 

■リスクの洗い出しをしよう

コンプライアンスの徹底や契約内容の精査はもとより、企業ごとに生じやすい問題や今の時代を即して起こり得るトラブルを洗い出し、リスクが現実にならないための予防策やトラブルが起こってしまった場合にいかに最小限に抑えるかなどを事前に対策を講じておかなくてはなりません。
近年、企業やその従業員などにおいて不祥事が起こる度に、謝罪会見が行われています。
ですが、ただ謝罪会見を開けば、事が収まり、企業の信頼喪失が抑えられるわけではありません。
ネットニュースやSNSなどを通じて気軽に意見が発信できるようになった時代において、マスコミや世論の批判に常にさらされることを念頭に置かなくてはなりません。
謝罪会見を開くスピードの速さやタイミング、誰が謝罪をするのか、どんな内容の謝罪をするのかが、その後の企業経営にも大きく影響を与えることもあるからです。
謝罪会見を開くのが遅い、謝罪するのが現場の担当者なのか、社長なのか、顧問弁護士なのかで受け止め方が変わる、いかにトップが謝罪しても内容次第では大きな批判の的にさらされます。
なんらかの不祥事が発生した際に、どのような謝罪会見をどのタイミングで誰が行うかを決め、シミュレーションやロールプレイを実施するのも予防法務の1つの対策です。
そして、どのような不祥事やトラブルが起こるかを洗い出し、それが起こらないよう予防策も講じなくてはなりません。
情報漏洩や金銭流用、パワハラやセクハラ、オーバーワークによる過労死や自殺など近年起こっている事案を踏まえながら予防策を講じておきましょう。

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