コラム

【雇用形態別】人員整理を行う際に気を付けたいポイント

■トラブルの原因にならないようにしましょう

突然のアクシデントがあると、これまで当たり前のようだった売上がなくなってしまい会社が傾いてしまうこともあります。
経営はいつでも良い時ばかりではなく、うまくいかないこともあるものです。
そのような時に今までの人数の従業員にお給料が支払えないと思い、人員整理を考えるかもしれません。
ただ必要なくなったからといって、そのまま解雇してしまうとトラブルの原因になります。
法的な注意点などもありますので、こちらでは詳しく説明してきます。

■人員整理はどんな方法で行うのか

これまで順調な会社の場合、急に売上が落ち込んでいき、はじめての人員整理となってしまうかもしれません。
まず事業の縮小などで人を削減する時には、人員を整理した後どんな人員配置するかを考えます。
少ない人数の中でも結果を出していかないと事業自体が大変なことになってしまいますので、この配置の検討は重要です。
そして正社員よりも前に、派遣社員、有期雇用のパート社員、契約社員の順番で削減を行います。
人員整理といっても、規模の縮小だけでなくもう会社自体が存続できない場合にすべての方に辞めてもらう時も含まれます。
会社の清算や破産の時には、この手続きを行うこととなってしまうのです。
できる限り会社がすべてダメになってしまう前に、苦渋の決断にはなりますが人員の整理をして盛り立てられるように対策を講じましょう。

■人員整理前にすることもあるので覚えておこう

自分たちだけで急に決断しもう次の日から人員整理という形ではなく、まずは従業員にも今の会社の経営状態を知ってもらうようにしましょう。
苦しいことや努力は最大限にしていることが伝われば、本当は解雇を言い渡されたくはないですが多少理解してもらえます。
もし自分たちだけで隠していた場合、突然解雇の話をされても従業員は納得がいかず最悪の場合裁判まで持ち込まれる場合もあります。
心構えがあるのとないのでは、まったく従業員に与える印象も違うのです。
なんとなく隠したい気持ちも出てくるかもしれませんが、従業員から理解されていたほうが後々進めやすくなります。
そして従業員を減らす際に、自分たちは何もしないのでは反感を買います。
経営者はどのように責任を取るのか、役員などはどうするのかをしっかりと表明することも重要です。

■正社員から解雇するのは間違い

予算のや今後のお給料のことを考えてしまうと、保険料や手当を付けている正社員を整理したいと思ってしまうかもしれません。
安い時給で置いておけるパートだけを残したいなどと思っても、正社員をほかの派遣社員やパートよりも先に削減するのは間違いになります。
確かに予算の関係では正社員の給料が一番高く、パートを何人か削減するよりも少ない人数で済むかもしれません。
しかし裁判の判例でも正社員を整理する際には、まず派遣社員やパート社員、契約社員から整理するようにと決められています。
ここからは、「正社員の人員整理」「パート社員の人員整理」「派遣社員の人員整理」と雇用体系ごとに気を付けたいことを紹介していきます。

■正社員を解雇する場合の注意点について

先程も書いたように、非正規雇用と呼ばれる雇用体系の方々が先に整理の対象になります。
その前に正社員に声を掛けてしまうのは、間違いです。
非正規雇用の人たちを整理してもまだ経営が困難でどうしようもないという時には、整理解雇を行います。
ただ正社員を簡単には解雇することができないので、法的にはハードルも上がります。
もし従業員が会社のお金を横領していたなど、過失がある時は別です。
しかし正社員は勤務態度も真面目で何か会社の中で違反したわけでなければ、なかなか簡単に切り捨てのような形は採れません。
ニュースなどでも急に経営難になったからと、ある日突然解雇を言い渡し逆に従業員から訴えられるケースを見たことはないでしょうか。
不当解雇だと訴訟を起こされた時に、企業側が負けてしまう事例は実はよくあります。

■整理を正当と判断されるために

経営していれば多少の傾きはどこの会社も長く続けていれば経験しますので、もう少し手が尽くせそうな時に整理を言い渡してしまうのは良くありません。
これは裁判に持ち込まれてしまった時に、不当な解雇だったと判断されてしまう可能性があります。
まずは解雇の前にできる限りの手を尽くすことが必要で、どうにか頑張っても限界でどうしようもなく解雇という判断に至ったということが重要です。
もし企業がもうすでに債務超過でこれ以上今のままでは経営が困難になってしまうかもしれないという場合やずっと売上が長いこと右肩下がりになっているなど、ハッキリした理由があれば人員整理の必要性があったと裁判でも認められやすくなります。
中には黒字にもかかわらず人員の整理を行う会社もこれまでにありましたが、この場合、必要性があるという判例もないわけではないのですが、黒字の場合は雇えない程困っているのではないため不当とされる場合が多いです。
もう経営が困難でと言っておきながら、正社員は整理して新規採用はちゃっかり行っていた場合なども不当と捉えられますので気を付けましょう。
たとえば企業側の好き嫌いなど自由な判断で急に解雇を言い渡すのも認められず、客観的で合理的な基準も求められます。
そして従業員と十分に話し合っているかどうかも見られていて、もし不十分で理解を得られていない、正当な理由がないのに強引に進めたとなれば認められません。
ここで紹介したことについて、しっかりと正統的に裁判などでも言えるようでなければ大変なことになってしまいます。

■従業員に必ず人員整理をする前に伝えなければならないこと

急に明日から解雇にすると言われても、従業員は心の準備もないですし、生活に困ってしまいます。
必ず人員整理の際には、十分に従業員との話し合いが必要になってきます。
さらに急に言うのではなく、解雇する日の30日前に解雇予告をしなければなりません。
そして解雇をする際に、解雇理由も記載することが大切です。
不当解雇と訴えられないようにするためには、変に完結な理由にせず詳しく書いて納得してもらえるようなものが良いでしょう。
どうしても黒字に転じず赤字もいよいよ末期まで来ていることや力を尽くしたがどうにもならなかったことなど詳しく書きましょう。
こちらから誰かに声を掛ける前に、希望退職者の募集をすることも大切です。
従業員も会社の状態を把握して納得しての希望退職となるわけですので、リスクも大きく避けられます。
この場合、退職金も割り増しで会社から提示すると、そこで納得してもらえスムーズな退職へと運べる可能性が高くなります。

■パート社員の人員整理のやり方とは?

パートの場合には、有期雇用と無期雇用に分かれていますので、どちらで雇っているかでも整理の仕方は変わってきます。
無期雇用の場合は、限りなく正社員の整理する時にやり方は近いと言っても良いでしょう。
正当な理由がないと訴えられてしまうかもしれませんし、企業側の好きなように解雇できるわけではありません。
できる限り会社の現状を知ってもらい、納得して合意をもらってからの解雇がスムーズです。
有期雇用の場合は、その約束した期限までは突然の解雇は原則できません。
それぞれ3ヶ月や6ヶ月更新などと、期間が決まっていることでしょう。
約束した期限が来た時に、次回の更新をしないで打ち切ることができます。
ただ簡単に切り捨てするのが難しいパターンもあり、臨時的な仕事ではなく恒常的な業務をさせていた場合は打ち切りが認められない場合もあります。
正社員よりは先に人員整理する対象であっても、簡単にできるわけでなく法的なリスクはあることを覚えておきましょう。

■派遣社員の場合で人員整理をしたい時は

正社員やパートなどの雇用形態に比べると、派遣社員が一番終了してもらいやすいです。
人員整理する際には、まず派遣社員に目を向けましょう。
ただいくつか注意点があり、雇用の約束をしている期間中の解除は難しいので、次の更新が来たところで解除します。
さらに解雇する場合は、解雇予告手当分の負担をすることも法的に決まっています。
期間満了で終了することについては法的な規則はないので、その1ヶ月前には更新しない旨を伝えるようにしましょう。
直接的な雇用がないため、一番は派遣社員の人員整理を行いそれからパートや正社員について考えていきます。

■しっかりと話し合いましょう

従業員にも生活がありますので、簡単に人員整理をしたいと思っても法律による制約があります。
もう破産寸前で手を尽くしたもののどうにもならない場合は仕方がありませんが、まだ予算が残っている際や中には黒字の場合で人員整理をする際には認められない場合も多いです。
裁判になった時に認められる理由がないと、逆に負けて賠償命令を出されてしまいます。
まずはお互いが納得することが大切なため、従業員との話し合いを大切にしましょう。

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