■近年リモートパワハラが増えている
昨今、テレワークの急速な普及によってリモートパワハラが増えているのをご存知でしょうか。
今回はそんなリモートパワハラについて紹介します。
リモートパワハラといっても、どんなケースが該当するかわからない人もいらっしゃるかと思いますので、具体例を挙げて紹介していきます。
テレワークについては、雇用される側も雇用する側もまだまだ慣れていない状況なので、こういったトラブルは今後も続いてくるでしょう。
■そもそもパワハラとは
リモートパワハラとは、パワーハラスメントの一種です。
パワハラなどと略されて呼ばれることも多いですが、パワーハラスメントが成立するためには、いつかの条件があると言われています。
まず、パワハラの対象になるのは、同じ職場で働いているということです。
さらに、被害を受けた人間に対して、地位や人間関係の上下関係において、優位性のある人が加害者になります。
しかし、いくら地位や優位性があっても、業務上、適切とみなされる範囲においては、パワーハラスメントにはならないのです。
そのため、業務の範囲を逸脱した言動というのも条件になってきます。
さらに、被害を受けた人間が、就業環境を害されたと認識する必要があるのです。
これらの条件が揃ってパワーハラスメントと言われています。
これを踏まえたうえで、リモートハラスメントについて考えてみると良いでしょう。
■リモートパワハラはテレワーク特有の現象
昨今、リモートパワハラに悩む人たちが増えているのは、急激にテレワークの導入が進んだからだともいえるでしょう。
テレワークで働く人たちも慣れていなければ、それを雇用する側もまだまだ慣れていないのです。
そのため、まさか自分たちの行為がパワハラに該当するなんて、思っていない人も多いのです。
■過度なレスポンスの要求
日常生活をしていて、ネットのとあるサービスにアクセスしたときのことを思い浮かべてみてください。
アクセスまでに時間がかかると、ついついイライラしてしまうのではないでしょうか。
テレワークもネット空間を利用したものなので、相手のレスポンスが悪いと、ついついイライラしてしまうものです。
そして、上司が部下などに対して、過剰なレスポンスの早さを求める行為はパワハラになる可能性があります。
業務の範囲を逸脱しないならば問題ありませんが、業務時間外に数分以内に繋げることを要求される場合や現実的に不可能なスピードでのレスポンスを求められる行為が該当します。
特にネットに馴染みのない年配層の場合、タイムラグがないのが普通と思い込んでいる場合もありますので、こういったトラブルに発展しやすいかもしれません。
■チャットやメールでの暴言
テレワークはオンラインでのやり取りが非常に増えますので、おそらくチャットやメールを利用する機会も多くなっているのではないでしょうか。
こんなときに注意が必要なのが、相手への対応です。
人間の中には、チャットやメールだと態度が変わってしまう人が珍しくなく、ついつい語気を荒げてしまうこともあります。
チャットやメールはとても気軽なツールなので、感情的になったまま送信してしまうことは多いのです。
特に、双方向通信でチャットしている場合は、言葉で相手にすぐに気持ちが伝わります。
そのため、咄嗟の一言が暴言につながってしまうことがあるのです。
これはネットリテラシーの問題でもあって、オンライン環境に慣れていない人が利用すれば利用するほど、リモートパワハラの可能性は増えてくるでしょう。
逆に、オンライン環境に慣れすぎた人も注意です。
プライベートで友達とチャットをする感覚で、相手に冗談で言ったことが、深く相手を傷つけてしまうこともあります。
また、注意が必要なものにリモート会議があります。
リモート会議には多くの社員が参加しているのです。
そこで権力を誇示するかのように怒鳴りつけるのもパワハラに該当します。
■テレワークは業務時間が曖昧
しっかりと設備が整っている会社ならば、業務時間の記録は残るでしょう。
しかし、中途半端にテレワークを実践している会社の場合、不当な残業を強制されてリモートパワハラになる可能性があります。
テレワークは自宅でいつでも仕事ができる環境が整っていますので、ついつい業務時間を超えた残業をしてしまいがちです。
また、会社に比べて、自宅で仕事をしているときは、不当な残業に対する違和感が薄れてしまい、業務時間が曖昧になってしまいます。
経営者の側もこれに対して麻痺してしまうことがあり、その結果、不当な残業を当たり前に指示されることもあるのです。
もしかすると、リモートパワハラをされていると感じた人がいるかもしれません。
相手もパワハラになるなんて思っていない場合も多いので、早めの対処でトラブルを大きくしないことも重要です。
最近は、ある程度大きな会社になると、パワハラを専門に扱うセクションを設けているところも多いので、そこに相談してみるのも一つの手段でしょう。