弁護士に依頼をする際にセカンドオピニオンを受けることがあるのをご存知でしょうか。
今回は法律におけるセカンドオピニオンの重要性を説明していきます。
■弁護士選びと相談の方法
法律問題の解決には弁護士に相談するのが一般的です。
弁護士に相談する機会はそう多くなく、初めてといった方も少なくありません。
そのため、そもそも、どの弁護士に相談したら良いのか迷われる方も多いはずです。
そこで、知り合いなどを通じて紹介してもらうことやネットで相談したい問題と地域などを入力して検索し、ホームページで弁護士の顔写真や経歴、メッセージなどを比較しながら、相談しやすそうな弁護士を選ぶというのが、基本的な選び方になるでしょう。
良さそうな弁護士を見つけたら、電話で問い合わせるか、メールフォームから簡単な内容を相談して、その後、実際に面談で相談をするという流れが一般的です。
相談料は事務所によって異なり、初回相談は無料というところも増えていますが、一般的な相場は30分5,000円といったところです。
当然ながら、じっくり相談するほど費用はかさみます。
■弁護士相談でもセカンドオピニオンを
弁護士に相談すると、抱えているお悩みや問題点を整理、分析したうえで、どのような解決策があるか、解決の方法について提案してくれます。
この点、法律問題は複雑であり、特に他人や企業などと揉め事が起きているようなケースでは自分だけでの解決は難しく、相手方と交渉をしなければいけません。
しかも、自分が不利にならないよう法的な根拠や証拠書類などを準備し、主張すべき法律の条文などをもとに交渉を行うことや裁判を行うことになります。
とても素人には解決できないため、弁護士に相談するわけですが、法律に詳しくないゆえに、弁護士の意見をそのまま受け入れてしまう方や「とにかくお任せします」と丸投げしてしまう方も少なくありません。
ですが、複雑で難しい問題であるとともに、解決の仕方次第であなたにとって有利にもなれば、不利になる場合や損失が生じるリスクもあるからこそ、よく理解できないからと丸投げするのは危険です。
そもそも、依頼人に理解ができないような説明に終始してしまう弁護士の力量にも不安が残ります。
内容がしっかり理解でき、納得できるまでしっかり話し合うことが大切です。
そのうえで、本当にその解決策がベストな選択であるのか確認するために、別の弁護士にも相談し、どのような解決策やアドバイスをもらえるか確認してみましょう。
弁護士の考え方や経験、得意分野などが異なるため、提示される解決策やアドバイスも異なることが考えられます。
医療でセカンドオピニオンを求める場合、より高度な専門医を探して意見を聞くのが一般的です。
弁護士も得意、不得意や経験豊富な分野というものがあり、実績も異なります。
複数の意見を聞いて考え、複数の選択肢の中から、より納得のいく、自分にとってベストな選択をすることが大切です。
■なぜ法律でもセカンドオピニオンが重要なのか
法律問題を解決するのにいくつも手段があるのか、弁護士の見解が異なることなんてないのではと思う方もいるかもしれません。
法律問題の解決法は1つだけではなく、同じ条文を使うにも、解決のスタイルは異なります。
たとえば、テレビの法律相談番組で複数の弁護士が回答をする場合に、3人いれば2人と1人で回答が異なる場合や3人がバラバラの意見を出すケースもあります。
これを見てもわかるように、同じ法律の専門家だから同じ問題に対して同じ見解を述べるとは限らないのです。
立つ立場によって解決のアプローチは異なってきます。
さらに同様の解決策を採ったとしても、その弁護士によって交渉力が異なることや裁判での実績に差があります。
複数の弁護士に相談して、ご自身との相性を確かめ、話す内容だけでなく、話し方などをチェックしながら、どの弁護士が一番頼りになりそうか見極めていきましょう。
■医療のセカンドオピニオンとの違い
医療におけるセカンドオピニオンは、かかりつけ医や最初に診断を受けた医師から診断書やカルテ、レントゲンなどの検査資料の交付を受け、紹介状を得て受ける必要があります。
かかりつけ医などの主治医が同意しない場合は、セカンドオピニオンを受けることができません。
セカンドオピニオンでは症状の分析や病名そのものや治療のベストな選択のアドバイスを受けることができます。
主治医と見解が同じになることもあれば、全く異なる意見が得られることもあります。
これに対して弁護士へのセカンドオピニオンは、最初に相談した弁護士の同意を得る必要はありません。
どの弁護士に対しても、全く初めてといった状態で相談することができます。
弁護士はほかの弁護士にも相談しているといった余計な先入観があるより、自分ならどう解決するかをストレートに話してくれるため、相談者としてはメリットが高いです。
相談者もそれぞれが初めての相談という認識のもとで、初めて聞く意見を新鮮な気持ちで受け止め、しっかりと比較検討できるメリットもあります。
相談したい案件により強い弁護士と出会えるよう、最初の1人で決めず、複数あたってみましょう。