コラム

中小企業こそ知的財産権を守ることが大きなメリットになる

■小さな企業だからと決めつけない

中国企業に商品を模倣された、ブランドのイメージを侵害されたなどとテレビなどでニュースが流れても、町工場や規模の小さな企業の経営者の中には自分たちには関係ないと感じる方は多いのではないでしょうか。
大手企業と異なり、侵害される権利やブランドもないし、中小企業が作る商品やサービスを模倣するような企業は現れないだろうと思われているかもしれません。
ですが、自社の優れている技術や開発、商品やロゴなどの重要性に気付いていないだけかもしれません。
もしかすると、すでにほかにはまだ存在していない画期的な発明をしているかもしれませんし、ほかの企業が奪いたくなるような人気が出る商品を開発しているかもしれません。

 

■権利を取得しないリスク

たとえば、これまでにない画期的な技術などを開発したにもかかわらず、それに気付かずに放置してしまったらどうなるでしょうか。
自社が画期的な開発だと知らずに技術や商品を提供しているうちに、その技術が真似される場合や研究されてほかの企業が特許を取得してしまうかもしれません。
するとどうなるでしょうか。
同様の技術を用いることができなくなることや高額なライセンス料を支払わないと使えなくなってしまいます。
自社が先に開発していたかもしれないのに、特許権を取得しなかったばかりに他社に奪われたり、余計なコスト負担が生じたり、特許を取得すれば得られたであろう膨大な利益を得るチャンスを失うことになるのです。
そうならないためにも、自社が有する技術や新たに開発したものなどがあれば、特許を得られないか、実用新案権などの知的財産権の対象にならないかを検討する必要があります。
中小企業は知的財産に関する知識を有するスタッフがいないケースも多いので、専門家である弁理士に相談することがおすすめです。
中小企業では余計なコストをかけたくないと、特許が得られるかもと感じる場合や権利を登録して保護すべきと感じていても、諦めてしまうケースもあります。
ですが、権利を取得しなかったことによる損失や逸失利益のほうが、必要となるコストや手間をはるかに上回る可能性があります。
弁理士に支払う手数料や手続きに必要な費用は、将来の利益を得るための投資だと考えて、積極的に投資を行うことが大切です。

 

■専門家のサポートを有効活用しよう

弁理士は知的財産権の取得や各種手続き、権利侵害への対応などの専門家ですが、中小企業や町工場などがある地方や下町エリアでは、あまり看板などを見かけないかもしれません。
どこに相談すれば良いのか困ったときには、自社の顧問弁護士に相談をしてみましょう。
士業のネットワークを通じて、信頼できる人を紹介してもらえるはずです。
また、現在、顧問弁護士がいないという会社の場合、顧問契約の締結も含めて、自社に適した法律事務所選びを行うのがおすすめです。
たとえば、技術開発に積極的な企業や便利グッズの開発などほかなにはない個性的な商品の開発や販売をしている企業では、特許権や実用新案権などが得られる可能性があります。
法律事務所の中には弁護士や弁理士などの専門家が勢揃いし、チームを組んで対応してくれるところやワンストップでサポートしてくれるところもあります。
また、弁護士と弁理士の2つ資格を持つ専門家もいるので、自社によりマッチしたアドバイスや提案をしてくれ、相談に乗ってくれる法律事務所を見つけると効率的です。

 

■知的財産権の取得で得られるメリット

知的財産権にもさまざまな種類があり、高度な発明だけでなく、中小企業にとっても、より身近な事柄も権利として登録し、保護を受ける場合や侵害しようとする企業などを排除できるメリットが生まれるのです。
たとえば、発明を保護する特許権を得れば、特許発明の実施を独占できます。
これまでにない技術や商品を独占的に販売することができるため、国内外からの受注を集め、莫大な利益が得られます。
大手企業に並ぶ注目企業になることや上場企業への飛躍も夢ではありません。
実用新案権は発明ほど高度な要件が求められず、小さな企業や町工場における個性的な製品や技術が認められるケースが多いです。
実質的に無審査で取得ができ、早期の権利化ができるので、ライフサイクルの短い日用品などの技術にも有効です。
意匠権とは物品の特徴的なデザインに与えられる独占排他権です。
小さな企業でも、個性的なデザインや誰もが使いやすいユニバーサルデザインなどの開発に長けた企業は多いので、取得しない手はありません。
商標権は商品やサービスの商標に得られる独占排他権で、同一の商標や指定商品だけでなく、類似する範囲まで及びます。
ネットを通じてローカルな情報でもすぐに拡散される時代だからこそ、他社に真似されないうちに登録しておくことがおすすめです。
知的財産権を取得しておけば、いざ侵害された際に侵害の排除や賠償請求などができるのもメリットです。
訴訟や争いの解決は主に弁護士が対応してくれます。

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