コラム

企業法務【取引・契約・M&A】に関する用語集

企業取引や企業契約に関する相談をしたい場合やM&Aなどを行いたい場合、企業法務に強い法律事務所に相談するのがおすすめです。
弁護士との相談や打ち合わせにおいて、円滑なコミュニケーションができるよう、企業契約やM&Aにまつわる法律用語を理解しておくとスムーズです。

 

・アドバイザリー契約

専任契約において業務範囲や秘密保持条項、報酬や免責などに関して取り決めることをアドバイザリー契約と呼んでいます。
M&Aを目的に売手企業や買手企業がパートナー候補となる企業を探したい場合、専門のアドバイザー業者に相談するケースが少なくありません。
少しでも早く有利な相手候補を見つけたいと複数のアドバイザーに依頼を検討する企業もありますが、秘密裡に進めたくても、複数に及ぶほどにそれだけ情報が洩れるリスクが高まります。
そのため、信頼できる1社を選んで、排他的な専任契約を結ぶことがおすすめです。

 

・オフバランス

オフバランスとは資産または取引が企業会計原則に基づき作成された貸借対照表に計上されないことをいいます。
資産効率の改善などが期待できることから、近年ではオフバランス化する企業が増えてきました。

 

・経営改善計画書

銀行融資を受けている場合に経営が悪化するなどして返済が困難になった場合、銀行に相談して毎月の返済額を減らしてもらうなど返済条件の緩和をしてもらうのがベターです。
返済条件の緩和をリスケジュールと呼んでいますが、リスケジュールを認めてもらうためには、経営改善計画を提出が求められるのが一般的です。

 

・デューデリジェンス

投資対象となる企業の価値やリスクなどを調査する手法のことです。
組織や財務活動をリサーチするビジネス・デューデリジェンスや財務内容などからリスクを把握するファイナンス・デューデリジェンス、定款や登記事項などの法的事柄を精査するリーガル・デューデリジェンスなどの種類があります。

 

・スクイーズアウト

特定の少数株主の株式を、強制的に買い取る強制取得手続のことです。
完全子会社化を目的としたM&Aを行う場合に、売却に応じない株主の有する株式のすべてを株主の個別承諾を得ることなく取得する方法です。
ただし、株式と引き換えに株主に対しては適正な対価が交付されるキャッシュアウトがなされます。

 

・提携仲介契約

M&Aのアドバイザー業者との間で、M&Aの仲介業務を依頼する契約を締結することです。
業務範囲や有効期間、報酬や秘密保持をはじめとする仲介者の義務や責任などについて取り決めて契約を行います。

 

・SPA

Stock Purchase Agreementの略で、日本語では株式譲渡契約書のことです。
M&Aにおいて株式の譲渡その他の条件の合意に至った際、M&Aの最終契約書となる株式譲渡契約書を締結することになります。
株券があった時代には株券と金銭を交換すれば株式の譲渡が成立していましたが、現行制度では株券がないケースが多いので、株式の売買を確実なものにする目的で株式譲渡契約書を作成し、株式譲渡契約を締結するのが一般的となっています。

 

・TOB

Takeover Bidの略で、日本語では株式公開買付けのことです。
不特定かつ多数の者に対して、公告により株券の買付けなどの申込みや売付けの申込みの勧誘を行います。
これによって、株式市場を通さずに直接株式の買取を行う方法です。
公開買付制度は取引所有価証券市場外で株式の買付けを行おうとする場合に、株主に公平に売却の機会を付与し、会社支配権にも影響を及ぼす手法における透明性と公平性を確保することが狙いです。
そのため、買付者が買付期間、買付数量、買付価格などをあらかじめ開示して行わなくてはなりません。
M&Aの手段として実施されることが多く、大きく2つの種類に分けられます。
買収したい企業の取締役会の賛同を得てTOBを実施する場合は友好的TOBと呼ばれますが、ターゲット企業の取締役会の賛同なく行われる場合は敵対的TOBと呼ばれます。

 

・ディスクロージャー

企業が一般投資家や株主、債権者などに対して、財務情報や経営状態などに関する情報を開示することをいいます。
法令諸規則に基づき開示される財務諸表や有価証券報告書をはじめ、アニュアルレポートなどの手段で実施されるのが一般的です。
日本においては、金融商品取引法の規定や会社法でディスクロージャーが求められています。

 

・インカムアプローチ

企業価値評価の手法の一つで、企業の将来の利益予想やキャッシュ・フロー予想を用いて価値を評価する方法です。
収益の将来獲得能力や固有の性質を評価結果に反映できる点でメリットがある一方、事業計画などの将来性な情報に関する恣意性の排除が難しく、客観性に劣ります。

 

・経営革新等支援機関

平成24年8月30日に中小企業経営力強化支援法が施行されたのに伴い、 中小企業に専門性の高い支援事業を行う経営革新等支援機関を認定する制度が設けられました。
税務や金融、企業財務などに関する専門的知識や支援の実務経験が一定レベル以上の個人や法人、中小企業支援機関などが経営革新等支援機関として認定されます。
中小企業は認定された経営革新等支援機関を利用することで、安心してサポートを受けられるという仕組みです。

 

・中小企業金融円滑化法

リーマン・ショックを発端に、中小企業の資金繰りを支援すべく、2009年12月に制定されましたが、2019年3月末で役割を終えました。
モラトリアム法とも呼ばれ、金融機関が返済猶予や金利減免などのリスケジュールに積極的に応じることで、中小企業の返済負担を軽減し、倒産リスクなどを防ぐのが目的です。
また、金融機関が融資にあたって担保や個人保証などに依存せず、中小企業に対して円滑に資金を供給するよう促した法律でした。

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