コラム

売掛金の時効時期や中断方法を確認してみましょう

■売掛金の時効時期

売掛金の時効期間は、売掛金が発生した時期によって違いがあります。
2020年4月以降に発生した場合、時効は5年です。
一方で2020年3月までは、時効は2年となっているため注意が必要です。
現在、売掛金を取引先から回収できないなど困ったトラブルを抱えているのであれば時効期間を見据えて早急に対処しなければいけません。
時効期間は、売掛金が発生した時期によって大きく変わるため、個人で問題を解決できない場合、法律のプロである弁護士に相談することも間違いではありません。
中には、売掛金の時効が近づいており、早急に対処しなければならないものの、どのような行動を取れば良いのかわからないと頭を抱えている方もいるのではないでしょうか。
もし、時効が間近に迫っているのであれば時効を止めるための中断措置を取ることを試してみると良いでしょう。

■中断措置の方法はさまざま

万が一、売掛金の時効が迫っている場合、時効中断措置を取ることで時効期間を効率良くストップさせることができます。
正しい手続きを行うことで、これまでに経過してしまった時効を止めることが可能になるため、時間に追われることなく、じっくりと対処できるのもメリットです。
時効中断措置を取る際には、相手方に支払督促を行うことも方法の一つです。
裁判所を通して支払督促を行うと時効を止めることができます。
さらに相手方に民事調停の申立てを行うことも有効な方法となります。
支払督促とは、裁判所から相手方に対して書面を通して支払いを督促する手続きとなっており、訴訟を行うのと同等の効果を期待できます。
支払督促を行うことで相手方の預金口座を差し押さえることができるなど、強く相手を追い詰めることが可能です。
支払督促は、裁判所で手続きを行いますが、金銭の支払いの引き渡しを相手に求める際に有効です。
手続きを行う際には、相手方の住所地を管轄している裁判所を通して申し立てます。
手続きはシンプルとなっており、書類審査のみで完了します。
わざわざ裁判所に出向く必要もないため、手間や時間をかけずにトラブルを解決したいというときにも安心です。
支払督促の手続きを行う際には、手数料を支払わなければいけませんが、訴訟を行う際の半分程度の金額となっているので、負担を軽減することができるでしょう。
支払督促を受けた側は、異議がある場合、督促異議を申し立てることができます。
督促異議を行う際には、支払督促を受け取ってから2週間以内に申立てを行わなければいけません。
期間内に督促異議を行わなければ強制執行を受けることもあります。
一方で支払督促の手続きを行う側は、相手方の住所地を管轄する簡易裁判所で申立てを行いますが、この際には必要な書類などを用意しなければなりません。
たとえば、申立書や手数料のほかにも相手方に郵送する際に必要になる切手などが必要です。
申立書の記載は、訴状によって書式に違いがあるため、専門的な知識を持っていなければ難しいと感じてしまうかもしれません。
支払督促の手続きを間違うことなくスムーズに行うのであれば専門的な知識を持っているだけでなく、実績が豊富な弁護士に相談してみると負担を大幅に軽減することができます。
新たなトラブルに巻き込まれることなく迅速に売掛金回収の問題を解決したいのであればプロの弁護士の力に頼ってみると良いでしょう。

■民事申立てを行う

取引先に裁判所を通して民事申立てを行うことも解決法の一つです。
民事調停を申し立てることで回収に関する話し合いをスムーズに行うことができ、短期間で問題を解決することにつながります。
民事調停は、裁判を行うのではなく話し合いをしながらお互いに納得できる形でトラブルを解決する方法です。
調停委員が裁判官とともに解決を目指していくのも民事調停の特徴です。
民事調停手続きを申し立てる際には、相手方の住所を管轄している簡易裁判所を通して行いますが、申立書を用意しなければいけません。
支払督促の手続きと同様に民事調停手続きにおいても申立書の書式に決まりがあるため注意が必要です。
民事調停は、手続きが簡単で円満な解決を目指せるのがメリットです。
申立てを行う際も難しい法律の知識は必要ありません。
比較的簡易な手続きで申立てを行うことができるので、弁護士の力を借りずに個人で解決したいという方も安心です。
また、当事者同士で話し合いの機会を持つことができるため、円満な解決を目指せるだけでなく手数料を安く抑えることもできます。
民事調停の費用は、売掛金の回収額によって違いがあるものの、10万円を求める場合、訴訟を行ったとしても1,000円程度です。
もちろん、調停を行ったとしても500円程度の手数料で済み、第三者に情報が洩れることはありません。

■内容証明で催告することで時効を延ばせる

裁判などを行わずに売掛金の時効を延ばすのであれば内容証明を利用し催告することも高い効果を期待できます。
催告とは、時効を延長する効果的な手続きの一つですが、相手方に催促したことをきちんと記録に残すために内容証明で送付することが欠かせません。
内容証明を利用して相手方に催告すると半年間にわたり時効を延ばすことができます。
しかしながらわずか半年ほどしか延長することができないので、この期間中に中断措置を行うことが必要です。
前述したように支払督促や民事調停などの手続きを行い正しく対処するようにしましょう。
現在、さまざまな方法で時効中断手続きを行うことができますが、最も効率良くトラブルを解決したいのであれば訴訟を起こすことが効果的です。
売掛金の支払いを相手方に訴訟を起こして求めることで相手方の理解を得なくとも売主の判断で解決を図ることができます。
また、支払督促や民事調停の場合、相手方の住所地を管轄する裁判所に申立てを行わなければいけません。
しかし、訴訟であれば売主側の住所地の裁判所に申し立てることが可能となっており、手続きもスムーズです。
訴訟で売掛金の支払いを命じる判決を得た場合、相手方の預金など財産を強制的に差し押さえることも可能となるため、短期間で解決することにつながります。
精神的な負担を軽減して短期間でトラブルを解決したいという方にも最適な方法と言えるでしょう。

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