コラム

セカンドオピニオン、セカンド顧問が必要な状況とは?

セカンドオピニオンの重要性に注目が集まっていますが、これは弁護士界に関しても同じことがいえます。
すでに顧問弁護士契約をしている企業がほかの弁護士からセカンドオピニオンを受けたり、セカンド顧問契約をしたりすべきなのはどんな状況でしょうか。

■セカンド顧問が必要となるケースとは

あらゆる士業でセカンドオピニオンの考え方が浸透しつつありますが、弁護士界でもこうした動きが広まっています。
企業の顧問弁護士は経営者にとってかなり親密な関係性を持つ存在ですが、企業が契約できる顧問弁護士に人数制限があるわけではありません。
つまり、すでに顧問弁護士と契約している最中でも、新たにほかの弁護士と顧問契約を結ぶことはなんら問題のある行為ではないのです。
セカンドオピニオンを受けるだけでなく、場合によってはセカンド顧問ともいえる存在を得ることも可能です。
とはいえ、当然コストのかかることですから、手当たり次第に顧問契約を結ぶというわけにもいかないでしょう。
それではどのようなときに セカンドオピニオンが必要となるのか、どのような状況になったらセカンド顧問との契約を検討したほうが良いのか、整理してみましょう。
一概にいえませんが、経営者が顧問弁護士以外から意見を聞きたくなるのには、典型的なケースがいくつかあります。

・対応の遅さに不満がある

まず第一に挙げられるのは、顧問弁護士の対応スピードに不満を抱いているケースです。
相談してもなかなか対応してくれない、対応が遅いといった場合、やはり信頼性が下がりますし、もっと早く動いてくれる弁護士を探したくなるのは当然でしょう。
ビジネスの世界で後れを取ることは、企業生命に関わります。
顧問弁護士からの返事を待つだけで無駄な時間が過ぎ、トラブルを防ぐことができなかったり機会損失が出てしまったりするようでは、百害あって一利なしです。
経営者としては顧問契約を破棄するどころか、逆に弁護士を訴えたくなるような憤りを感じるのも無理はありません。
スピードに関して大きな不満を持つ場合、待ちきれずにほかの弁護士にセカンドオピニオンを求めたり、そのまま新たに顧問契約を結んだりするケースが多いです。

・専門分野が違う

ビジネスには事業分野があり、その知識がないと正しい判断ができません。
契約内容を検討したり、ビジネスのリスクを計ったりする場合、業界知識にうとい弁護士では役不足です。
ただ、これに関しては時代の流れや社会の動きによって状況が刻々と変わるため、現在の顧問弁護士に不満を持つというよりは、新たに別の知識を持つ専門家の力を借りるというほうが的確です。
たとえば長年実店舗を構えて商売をしてきた企業が、昨今の流れでeコマースに進出する際、ITの専門知識を持つ新たな弁護士とセカンド顧問契約を結ぶといった具合です。
こうした契約はそれぞれの専門家がそれぞれの分野でしっかり活躍してくれるため、コストはかかりますがより安定した経営を行える安心感が得られます。

・出向いてくれる弁護士がほしい

顧問弁護士によっては、対応は基本的に自分の法律事務所で行い、契約先企業には出向かないケースもあります。
出向くとしても時間を作るのに手間取り、スケジュールがかなり先になるなど時間のロスが生まれる場合も少なくありません。
経営者側としては いちいち対面に出向くのは手間ですし、自社へ来てもらえないことに不満を感じることも多いでしょう。
相談内容によっては持ち出しが難しい物品や資料を見てもらわないと困る場合もありますので、フットワークの軽い弁護士と契約したくなるのも理解できます。
セカンドオピニオンを求めた弁護士がすぐに自社に来てくれて的確なアドバイスをしてくれたら、そのままセカンド顧問として契約したくなるのも道理です。

・相性が悪い

人と人の関係ですので、しばらく一緒に仕事をしてみたけれど、どうにも相性が悪いということはあり得ます。
たとえば話がわかりにくい、態度や言動が失礼に感じるなど、物事を相談する気が削がれる相手では信頼関係を構築することは難しいです。
仕事の成果としては特に問題がなかったとしても、別の弁護士と話をしてみて、ほかに信頼できそうな人が見つかるなら契約解消を検討することもできます。
まずはセカンドオピニオンを求めてみて、セカンド顧問として契約し、軌道に乗ればそちらをメインに据えるという方法もあるでしょう。

■弁護士のセカンドオピニオンは躊躇せずに活用すべき

企業にとって頼れる弁護士がいるのといないのとでは、経営上大きな差が生じます。
最初に顧問契約をする際に相手を見極めることも重要ですが、先にも触れた通り、時代が変われば事業内容や経営方針も変わる可能性がありますし、求める専門分野が変わることもあり得ます。
ビジネスではスピードが命ですから、迷う部分があるなら躊躇せずにセカンドオピニオンを利用すべきですし、場合によってはセカンド顧問契約を結ぶことも大切でしょう。
何より弁護士との関係は信頼があってすべてが成り立ちますので、相性の面も含めて幅広く協力者を探すことをおすすめします。

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