弁護士に法的な問題を相談する際、その分野に強く、実績のある法律事務所を選ぶことは基本中の基本です。
ですが、良い弁護士を選ぶにはそれだけでは不十分で、もう少し深く踏み込んで検討する必要があります。
実績が豊富で、特定の分野に強いことアピールしている法律事務所の中には、根拠のない実績をホームページ上に表示している場合や誇大広告をしている法律事務所もありますので、慎重に選ぶことが望まれます。
ここでは失敗しない弁護士を見極めるポイントについて、いくつかご紹介します。
■弁護士の実務経験を調べる
弁護士事務所のホームページを調べると、得意分野や解決事例、取扱事件など記載されていることが多く、それらの情報だけでも、ある程度自分の条件に合うかどうか把握できます。
ですが、ホームページだけ見ても、本当の良し悪しは見えてきません。
中には裏付けのない解決事例や口コミなどを掲載しているところもありますので、注意が必要です。
法律事務所の専門分野やこれまでの実績に加えて、見極める際に参考になるのが、所属している弁護士の実務経験です。
経験が長いからといって、必ず良い弁護士というわけではありませんが、経験が多ければその分弁護士としての知識やスキルが磨かれていきますので、弁護士を選ぶ判断材料になります。
弁護士の実務経験を調べるには、日本弁護士連合会のホームページが参考になります。
弁護士の氏名や登録番号など必要な情報を入力して検索すると、登録年度から、ある程度の実務経験を把握できます。
■過去に処分されていないかどうか調べる
弁護士の懲戒制度には、「戒告」「業務停止」「退去命令」「除名」4つの種類があります。
過去にいずれかの処分を受けた弁護士の名前は公開されるため、一般の人でも知ることが可能です。
「弁護士懲戒処分検索センター」など、懲戒処分された弁護士を検索できるサービスサイトなどを利用して、調べてみましょう。
過去に問題を起こした弁護士すべてが悪徳というわけではありませんが、良い弁護士かどうか、見極める際の参考になります。
■対応に不安がある弁護士は避ける
弁護士事務所の対応は、所属する弁護士の良し悪しに直接影響します。
良い弁護士は対応が迅速で、クライアントのペースに合わせて物事を進める、クライアントの要望をよく聞き、専門用語を使わず、わかりやすく説明してくれる傾向があります。
弁護士の対応を見極めるには、電話やメールで問い合わせることや無料相談を利用することが重要です。
それぞれ対応を比較して、より良い事務所を選べるからです。
メールの返信が遅い、話をあまり聞いてくれない、相談しにくいと感じた場合は、避けたほうが無難です。
■スタッフの対応にも気を付けよう
無料相談や初回相談で法律事務所を訪問した際は、事務所の雰囲気やそこで働くスタッフの対応もチェックしましょう。
事務所の方針は、自然に事務所内の雰囲気やスタッフの対応に現れます。
きちんとした法律事務所には、温かい雰囲気があり、スタッフも対応がソフトで接しやすいなど、クライアントが安心感を抱きやすい傾向があります。
逆に対応が事務的だったり、そっけなかったりする場合は、その事務所に所属する弁護士も、似たような対応をするものだと思い、避けたほうが無難です。
特に忙しくなると、クライアントに対する態度がおざなりになってしまいがちですが、たとえ忙しくても、誠意を見せることは不可能ではありません。
事務所の対応に不安が残るようであれば、後悔する可能性も高くなりますので、ほかをあたったほうが良いでしょう。
■費用が明瞭かどうか確認する
弁護士費用は、各法律事務所によって異なります。
弁護士費用が安い・高いもそうですが、費用が明瞭であるかどうかも大切です。
最終的にどのくらい費用がかかるかは、実際に着手してみないとわからない部分もありますが、事前に料金の設定について、弁護士と話し合っておくことをおすすめします。
良心的な法律事務所であれば、発生する料金について説明してくれるでしょう。
通常法律相談を依頼した時点で、費用について契約書を交わします。
契約を曖昧にしたり、明らかにタイムチャージを狙っているような対応をしたりする法律事務所は、極力避けるようにしましょう。
弁護士が必要とする調査などについて、一般の人はあまりよくわからないので、弁護士に請求されるまま、高額なタイムチャージを支払うケースも少なくありません。
これを避けるには、複数の法律事務所の対応を比較することです。
■比較検討が見極めるコツ
弁護士の良し悪しを見極めるポイントはいくつかあります。
弁護士の選択を間違えると、問題が解決するまで嫌な思いをすることになりますし、結果にも大きく影響します。
見極めのポイントを参考にしながら、複数の法律事務所の対応を比較し、条件にあったところを選ぶのが、失敗しないコツになります。