コラム

宗教法人法って?僧侶の弁護士が強い味方!

■ 宗教法人と法律

宗教法人は教義を広めることや宗教に基づく儀式行事を行い、信者を教化や育成することを主たる目的とし、都道府県知事もしくは文部科学大臣の認証を経て法人格を取得した団体です。
宗教法人法においては宗教法人の設立や宗教法人規則の変更、宗教法人の合併や解散の認証などを定めています。
第18条では宗教法人の執行機関である代表役員や事務の決定機関である責任役員の設置、員数をはじめ、職務権限、職務権限の行使の方法について細かな定めがあります。
また、宗教法人の活動の中でも、財産の所有や維持運用などの世俗的側面に関わるものには、宗教法人法による規制が及ぶため注意しなくてはなりません。

 

■ 宗教法人規則の整備と運用の重要性

宗教法人の世俗的事項については、宗教法人規則で定めなくてはなりません。
宗教法人法に基づく必要的記載事項を除けば、規則で定める具体的な内容は法律に抵触しない限り、宗教法人の自治に委ねられています。
たとえば、宗教法人の財産関係をはじめ、内部組織としての機関設計などについては、宗教団体の実情に合わせて合理的な定めが可能です。
定める内容についてはある程度の柔軟性が認められるもの、役員の選任や財産処分などについては、宗教法人法や当該法人の宗教法人規則に従って決定を行い、適切に宗教法人の管理運営を行わなくてはなりません。
つまり、宗教法人規則は宗教法人の管理・運営の根本原則として大変重要な位置付けです。
そのため、常に最新の規則の全文を備えておかなくてはなりません。
また、変更認証を受けた場合には、その都度変更した内容を反映させた最新の内容を備えておく必要があります。
万が一、宗教法人規則を紛失している場合は、所轄庁から謄本の交付を受けなくてはなりません。
宗教法人を監督する文化庁によれば、自ら定めた宗教法人規則を無視した管理や運営をしているケースも少なくありません。
規則を無視した活動は宗教法人内でのトラブルの原因になるほか、社会的な信用の失墜のリスクを高めます。
また、行った財産処分について無効となることもあるので注意が必要です。

 

■ 宗教法人規則の点検をしっかり行いたい

宗教法人を運営していくうえでは、自ら定めて認証を受けた宗教法人規則を守っていくことが大切です。
そのため、所轄庁の認証を受けた宗教法人規則が有効であるかを、しっかり確認しておくことが必要です。
過去に変更を加えている場合は特に注意しなくてはなりません。
というのは、変更認証を受けているにもかかわらず、変更前の規則で運営されているケースや認証を受けていない規則で運営されている場合があるためです。
内部チェックだけでは適正な管理や運営ができない場合があります。
そのため、僧侶の資格も併せ持つ弁護士にチェックを受けることや顧問契約を結んで適宜、助言や指導を受けることがおすすめです。
宗教法人規則と細則、その他の法人内部規程などとの間で齟齬が生じていないかを、チェックしてもらいましょう。
そのうえで、実態が規則と異なるときは管理・運営方法を宗教法人規則に合わせなくてはなりません。
もし、それが無理な状態であれば、所轄庁の認証を受けて規則の変更が必要です。

 

■ 宗教法人に対する目は厳しくなっている

宗教法人は宗教活動においては非課税とされていますが、近年は税務調査の権限が強化されることや宗教法人への情報開示の要請がなされるなど、宗教法人に対する世間からの目も厳しくなってきました。
宗教法人では檀家や信者も多く、平成17年4月1日からは個人情報保護法によって、檀家や信者の個人情報も保護しなくてはなりません。
僧侶はもとより、跡を継ぐ予定の方や寺族なども、宗教法人法を正しく理解し、宗教法人規則の管理や運営に、よりいっそう気を付けていく必要に迫られています。

 

■ 専門家のサポートが不可欠

法律の専門家とひと口にいっても、法律事務所には得意分野や不得手な分野、実績のない分野というのがあります。
神社や仏閣などの宗教法人の運営においては、宗教法人特有の専門知識が必要なので、僧侶の資格も併せ持つ弁護士に相談や依頼をすることや顧問契約を締結するのがベストです。
僧籍を持つ者としての高い信用性があるのはもちろん、宗教関連の専門用語に通じており、内部事情にも明るい点がメリットです。

 

■ どのような相談ができるのか

檀家や信者から器物損壊をされた、プライバシー侵害や名誉棄損など人権侵害を受けているケース、檀家が後継問題に干渉し住職を認めてくれないといった地位を巡るトラブルも相談が可能です。
お墓の撤去や移転、改葬、墓地管理料を巡るトラブルや離檀を巡るトラブルにも精通しています。
寺院や墓地の規則集の整備から、寺院財産の処分の手続き、寺院の清算や吸収合併手続といった内容から、お寺に多い借地を巡るトラブルや境界などの土地問題、他寺院などと檀家争奪や乗っ取りなどのトラブルなどもサポートしてもらえます。
近隣から境界問題や騒音などのクレームを寄せられることや個人情報管理でトラブルを起こした、SNSに勝手にアップされたといったトラブルなども増えていますが、宗教法人を巡るトラブルは宗教に関わる者としての品位を保ちつつ、問題を解決しなければなりません。
そのため、神社や仏閣の管理運営に精通した専門家により、双方に怨恨が残らない解決方法を採ることが大切です。
宗教法人としての立場上、通常よりは寛容な態度での解決の道を模索することが大切ですが、やはり、法の無視は許されないため、時として断固とした対応を採る必要もあります。
宗教法人に精通した専門家であれば、相手の感情にも配慮しながら、法を守るように解決に導いてくれるので安心です。

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