コラム

強制執行できる?養育費が支払われない際の対処法とポイント

■強制執行という選択肢もある

養育費が支払われずに困っている人はたくさんいます。
シングルマザーにとっては養育費の存在はかなり大きく、なければ生活が成り立たないという人もいるでしょう。
また、子どもの将来を担保するためのお金でもありますので、今後の子どもの未来にも大きく関係してくるのです。
そして、養育費が支払われない場合には強制執行という選択肢もあります。
今回は、そんな強制執行の際のポイントを紹介します。

 

■養育費が支払ってもらえないなら強制執行

強制執行は、養育費を支払ってもらえない場合は有効な手段だといえるでしょう。
養育費の不払いは、多くの家庭が抱える問題なので、シングルマザーや今後離婚を検討しているような人は、ぜひ把握しておきたいものです。
まず、養育費を支払ってもらえないからといって、すぐに強制執行することができるわけではありません。
養育費を支払わなければならないことの正当性を認めてもらう必要があります。
そのために利用するのが裁判で、裁判などによって、相手が養育費を支払うことが妥当とされれば、強制執行をすることが可能になってくるのです。

 

■養育費の強制執行をする段階

養育費の強制執行を求める場合には、必要な段階を踏んでいることが重要なので、それがどの段階にあたるのかを紹介します。
まず、すでに支払いについて勝訴が確定しているような場合には、強制執行をすることが可能になっています。
また、調停などで支払いが成立している場合も可能になっているのです。
さらに、離婚協議書などに養育費の支払いについて記載されており、それが公正証書として作成されているなら、こちらも支払いが可能です。
しかし、注意が必要な点として強制執行することができるという記載が必要になってきます。

 

■差押えできる財産があるか

強制執行をするといっても、相手に差押えするための財産がなければすることはできません。
ない財産を無理やり差押えることは物理的に不可能なので、事前に財産調査が必要になってくるのです。
また、一般人の理解と法的な意味での財産には食い違いがあることも多いので、財産とは何を指しているのかも把握しておきましょう。
不動産については、もちろん財産としてみなされます。
不動産は移動させることが難しい財産になりますので、差押えを期待できる財産ともいえます。
また、金銭的な価値の高い動産と言われるものも財産に該当するのです。
高価なブランド時計などがあれば財産としてみなされますし、宝石ももちろん財産としてみなされます。
さらに、債権も財産としてみなされることになっていて、現金の請求権もこれに該当するといえるでしょう。
現金の請求権といえば少し難しく感じるかもしれませんが、私たちが働いて、その対価としてもらっているお給料にも請求権が発生します。
そのため、給与や預金も強制執行の際の差押え対象としてみなされるのです。
養育費を支払ってくれない人が、不動産を持っている可能性はそこまで高くないといえますので、現実的なところといえば、給料の差押えなどになるのではないでしょうか。
最近は銀行への預金口座情報の開示請求が認められるようになったので、自分で銀行口座を調べる際の難易度が各段に下がりました。

 

■給与は全額差押えは難しい

一般的な家庭の人が強制執行をする場合、預金や給与に対して差押えするのがおすすめです。
しかし、ここでも注意点が必要で、給与は全額差押えられるというわけではありません。
そのため、毎月20万円の給与所得があるからといって、毎月20万円の養育費を回収できるというわけではありません。
給与所得から天引きされるものについては差押えすることはできず、天引きされた残額全額を差押えできるというわけでもないのです。
税金や保険料などを差し引いて、さらにその半分の額の差押えが可能になっています。
さらに、月に33万円という上限が設定されていますので、それ以上の金額を強制執行することはできないです。
また、給与の差押えをするメリットは、一度差押えを始めてしまえば、その月だけではなく、次月移行にも差押えの権利が発生するというものです。
そのため、相手が退職しない限りは、滞納分の養育費をしっかりと徴収することができます。
動産については、持っていることを証明するのが難しいですし、不動産はそもそも所持していない可能性も高いです。
そう考えると、やはり給与や預金に対して差押えをするのが一般的ではないでしょうか。
また、強制執行については複雑な手続きが発生しますので、専門の法律家に相談してみるのがおすすめです。
最近は手続きについて無料相談に応じてくれるサービスもありますので、ぜひ利用してみましょう。
養育費が支払われないときの対処法について理解できたのではないでしょうか。
強制執行はそんなときの有効な手段で、預金や給与所得を狙って差押えするのが一般的です。
上手に活用することができれば、子どもの未来を繋げることも可能でしょう。

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