コラム

少額控訴って何?特徴と活用メリットを解説!

2020/03/18

■債権回収する手段

少額訴訟は、債権回収の手段です。
簡単にいえば、払うべきお金を払わない相手にお金を払わせる制度といえるでしょう。
訴訟という言葉から分かるように裁判所に訴えて相手に請求する方法ですが、裁判などという言葉を聞くと尻込みしたくなる人も多いでしょう。
ただ少額という言葉通り60万円以下の請求に限っては、実は通常の面倒な手続きを省くことが可能なのです。
一般的に裁判というと、複雑な手続きがあり、時間をかけて相手と争うイメージがありますが、こうした通常の流れに比べればとても手軽に、早く話を終わらせることができるのが特徴です。
例えば少額の金銭トラブルといえば、友人同士のお金の貸し借りなどが想像されますが、もちろんそうしたケースでも利用できます。
またビジネスにおいても、少額取引で起こる支払いトラブルは少なくありません。
契約を締結し、予定通り取引が実施されたにも関わらず、相手の会社が期日を過ぎてもお金を支払わないといったトラブルは、どの会社でも起こり得るリスクです。
再三請求し、内容証明郵便も送り、それでも相手から何の返答も反応もないときに、ただ途方に暮れていたのでは自社の死活問題になりかねません。
その場合に有効活用できるのが、この制度なのです。
そもそも少額に限定した制度が設けられた理由は、少額の債権では通常の裁判をしても、コストばかりがかかり過ぎて費用対効果がなくなるためです。
例えば、10万円を回収するために裁判に50万円の持ち出しがあっては意味がありません。
こうした実情を踏まえ、少額のお金の回収に限っては、とても簡単に低い費用でスピーディーに回収できるよう設定されたのがこの制度なのです。
それでも裁判所へ訴えるにあたり、弁護士や司法書士など士業に依頼したらかえって高くつくだろうと懸念する人もいるでしょう。
もちろんその点は留意の必要がありますが、訴訟にあたって必ずしも士業に頼る必要はなく、きちんとルールに沿えば自身で訴訟を起こすことも可能です。

 

■どんなときに利用すれば良いか

まず、該当するのは請求額が少額の場合に限ります。
前述の通り、現在は60万円以下を対象としていますので、その範囲であれば利用できます。
またこの60万円に、利息や違約金などは含みません。
それらを差し引き、請求金額が60万円以下に収まるのであれば、申し立ては可能となります。
ただし申し立て条件があり、同じ裁判所で利用できるのが年10回までという回数制限があります。
これは特定の債権者がこの制度を独占的に利用することを防止するためなのですが、とはいえ1年に10回を超える請求をするようではかなり切迫した状況ですので、そこで引っかかることは通常ではないでしょう。
それよりも被告となる相手側の住所が明確で、相手が弁護士に依頼していないことが重要な条件になります。
相手の住所が不明確では訴訟自体できませんし、もしすでに弁護士を立てているようなら、少額ではなく通常の訴訟へと移行することが大半です。
そうなれば通常の裁判として腰を据えて争うしかありませんので、低コストでスピーディーな解決を図ることは難しいでしょう。
回収したい債権があり、何度か催促しても音沙汰がないようであれば、相手が動き出す前に申し立てをすることも一つの手段です。

 

■少額訴訟にはどんなメリットがあるのか

少額訴訟のメリットを簡単にまとめると、まず短期間で決着がつくこと、手続きが簡単で安いこと、勝てば強制力を持てることです。
短期間というのは大きな魅力ですが、実は少額訴訟の場合、審理はたった1回のみで判決が出るのです。
訴状を出して簡易裁判所で裁判が開かれるまで1~1ヶ月半ほどが通常ですが、開かれれば当日に判決が出て決着がつきます。
しかも少額訴訟は3審制ではないため、控訴はできません。(少額訴訟はあっても少額控訴はありません。)
ただもし被告に不服があれば異議申し立てをすることができるため、異議申し立てをすると同じ簡易裁判所で通常訴訟が開始されます。
これを異議審といい、こちらは通常訴訟なので、新たな証拠や証人の申請に1回、証人尋問に1回、数回にわたる審理が行われ、判決も別の期日に言い渡されることになります。
異議申し立ては少額訴訟で判決が出た日から2週間以内に行うことで受理されますが、相手がこれをしなければスピード解決です。
ただし、異議申し立てをするリスクについては、あらかじめ了承しておいたほうが良いでしょう。
もう一つの特徴として、少額訴訟では反訴が禁止されているため、相手からの請求があっても同時に処理されることはあり得ません。
反訴というのは、被告が訴えられたことに関連することで原告を逆に訴え、2つの訴訟を同時に審理することです。
例えば、A社がB社を取引の不払いで訴えたときに、B社もA社から不払いを受けていた場合、B社がA社を訴えると反訴となります。
少額訴訟では1回の審理が原則なので、当日に2つの請求を処理できないとして、反訴はできないことになっているのです。
こうした場合は訴訟に入る前か当日に通常訴訟に移行することになりますので、その時点で少額訴訟ではなくなります。
この点もあらかじめ認識しておいたほうが良いでしょう。
費用に関しては実際かなり安く、かかるのが印紙代と切手代だけというのはかなり助かります。
切手代は4,000円程度ですが、訴訟金額によって印紙代は変わり、最大金額の60万円でも6,000円です。
つまり60万円の訴訟でも費用は合計1万円なわけですから、非常に安く申し立てができることになります。
弁護士に依頼すると20万円程度はプラスされますので、基本はまず自身で訴えを起こすほうが得策でしょう。
訴状のフォーマットは裁判所のサイトでダウンロードできますし、記入例を見ながら空欄を埋めるだけで書類は作れます。
必要なものはこの訴状と相手の数だけの訴状のコピー、相手が法人なら登記事項証明書、そして証拠資料です。
証拠になるのは契約書や請求書、領収書などですが、メールのコピーでも有効ですし、あればあるだけ提出するのが得策です。
提出は住所地を管轄する簡易裁判所で、受理されると後日、審理と判決の期日が連絡されます。

 

■少額訴訟で勝った場合はどうなるか

先のメリットでも触れましたが、たとえ少額でも裁判は裁判ですので、勝てば強制力を持ちます。
裁判には事前準備がありますので、書記官に要求される通り事実関係の確認や追加書類の提出、証人などを用意しましょう。
相手の反論が書かれている答弁書も受け取ることになります。
証人は必ずしも法廷に出向く必要はなく、出廷できない場合は電話会議システムが利用されることもありますが、審理自体は早くて30分、長くても2時間程度で、判決はその場で言い渡されます。
そこで和解できる場合もありますが、どうしても相手が支払わない場合は相手の銀行口座を差し押さえる強制力も持ちますので、非常に強い執行力があるといえるでしょう。
しかも仮執行宣言もつくので、即座に強制執行の手続きを取ることも可能です。
通常の裁判は長引く間に相手が倒産や破産をしてしまい、裁判に勝っても1円も回収できないといった最悪の事態になるケースも少なくありません。
少額訴訟の場合、前述の通り少額控訴などありませんので、その場で執行できる仮執行宣言が必ずつきます。
勝てば強制力を持つとことはそうした意味ですが、ただ被告に支払い能力がないなど裁判所が必要と認めた場合には、分割払いや3年以内の支払い猶予が付く場合もあります。
そうなった場合は勝訴してもすぐに現金が入って来るわけではないので、その点は考慮・想定しておいたほうが良いでしょう。

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