コラム

急な退職の申し入れに企業はどう対応するべきか?

2020/03/11

■従業員から突然退職の申し出を受けたときの対処方法

従業員から急に辞めたいといわれたらどうしたら良いのでしょうか。突然のことであればびっくりするだけでなく、「なぜ急に辞めたいと思ったのか」「仕事や職場の環境に不満があったのか」といったことなど、これまで想像もしなかった状況や問題をあれこれと考えてしまうかもしれません。
そこであわてることなく、「次の人材をどうやって確保するのか」といった、その先のことも冷静に考えなくてはなりません。
また、雇用契約によって退職のタイミングも異なるので、雇用契約の確認も必要です。
従業員から突然退職の申し出があった場合にあわてないために、どのような対応が望ましいのでしょうか。

 

■辞めたいといわれたらまずは理由を

従業員から辞めたいといわれたときには、まずその理由を聞いてみると良いでしょう。
辞めたい理由は人それぞれですので、じっくり耳を傾ける姿勢が大事です。
急に辞めたいといわれると、引き止めたくなってしまいがちですが、理由を聞かずにそのような行動に出てしまうと、余計に相手は辞めたいという気持ちが強くなってしまうこともあるからです。
まずは辞めたい理由を聞いた上で、それが病気や育児や介護などやむを得ない事情だった場合には、無理に引き止めないほうが良い場合もあります。

 

■どうしても引き止めたいときには?

仕事が忙しい時期である場合や人手が足りていない場合には、辞めてほしくないと思ってしまうかもしれません。
あるいは、とても優秀な人材だった場合には、何とかして引き止めたいと思うこともあるでしょう。
その場合には、辞めたい理由を聞きだした後で、一緒にこれからも働きたいと思っていることを正直に伝えてみるのもおすすめです。
中には、本気で会社を辞めたいのではなくて、現状の環境に何らかの不満や不安があり辞めたいと感じている場合もあります。
じっくり話を聞くことで、辞めたいという気持ちが薄れていくこともありますので、相手の話を真剣に聞く姿勢を見せることはとても大事です。
話を聞いたり、引き止めたりしても、相手の辞める意志が固い場合には、それを尊重してあまりしつこくせずに、諦めたほうが良いでしょう。

 

■スケジュールを決めて手続きを進める

話し合いの場を設けた後で、それでも辞めることになった場合には、次に退職までのスケジュールを決めていきます。
仕事を誰に引き継ぐのか、引き継ぎ期間はどのくらいにするのか、有休消化をするのかなど、辞める日までにやっておくことはたくさんありますので、きちんとしたスケジュールを決めておくと良いでしょう。
法務部や労務部などへも速やかに連絡して、手続きを進めていく必要があります。

 

■雇用契約に期間の定めがある場合とない場合で辞められるタイミングが異なる

辞めたいと言い出したら、すぐに辞められるわけではありません。
雇用契約によって、辞められるタイミングが異なる場合があるのです。
本人から辞めたいと申し出を受けたら、手続きを進める前に入社時にどのような雇用契約を交わしていたのかを、最初に確認する必要があります。

 

■契約社員など期間の定めのある雇用契約の場合は原則として辞められない

一定の期間定めのある雇用契約を結んでいた場合には、原則として、途中で辞めることはできません。
例えば、4月に1年間の契約社員として入社して、半年後に辞めたくなったとしても、契約期間を満了するまでは、辞めることはできないのです。
ただし、やむを得ない事情がある場合には、契約の解除が認められる場合もあります。
民法628条では、当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、ただちに契約の解除ができると定められています。
やむを得ない事情とは、本人の病気やけが、いじめやパワハラなどのハラスメント行為があった場合、法令違反や契約違反を犯した場合などです。
また、民法628条では、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負うとも定められていますので、場合によっては本人に責任を問うこともしなくてはなりません。
契約期間に定めがある場合には、退職のタイミングは契約期間終了に合わせるのが一番スムーズな方法といえます。

 

■期間の定めがない雇用契約の場合については2週間前でOK

正社員や直接雇用のアルバイトやパートなど、契約期間の定めがない雇用契約の場合には、最短2週間で辞めることができます。
民法627条1項で、雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了すると定められているからです。
しかし、実際には、仕事の引き継ぎ、代わりの人材の確保など、行うことがいろいろとありますから、よほどの事情がない限りは、2週間で退職することはまれです。
多くの企業では、1ヶ月から2ヶ月前までに申し出るのが一般的となっています。
法律上は最短2週間でも辞めることができますが、本人とよく話し合いながら、法務部や労務部とも連絡を取りながら、スケジュールを決めていくのが良いでしょう。

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