コラム

企業が電子契約書を導入するメリット・デメリット

2020/02/14

■これからの時代は電子契約の時代?

現在、企業において導入の検討が進められている次世代システムの1つに電子契約書があります。
IT化やデジタル化が進む中、国においても法制度の整備などを進めており、安全かつ効率的に契約を行い、ペーパレス化を進められると注目を集めているものです。
これからの時代に普及促進が期待される電子契約書の特徴を簡単にご説明するとともに、導入によるメリット、デメリットについてご紹介します。

 

■電子契約書とは何か

契約は企業間や顧客との間で締結される重要な法律行為であるため、従来は紙の書面を用い、印鑑の押印や自署によるサインが求められるのが基本です。
日本では古くより印鑑文化が根付いているため、個人との契約でも実印の押印と印鑑証明書の添付が求められることもしばしばです。
また、企業間の契約では会社や代表者の実印と印鑑証明書や法人の登記簿謄本の添付などより厳格な契約手続きが求められます。
もっとも、ビジネスの世界ではグローバル化が進み、契約相手は国内の企業や個人ばかりではなくなりました。
IT技術の革新が進み、デジタル化が進む中で、その技術を活用し、紙の書類からデジタルデータによって契約を行う方法が電子契約書です。
電子契約書においては印鑑やサインに代えて、あらかじめ本人であることを証明した電子署名が用いられます。
また、システム的に付与されるタイムスタンプを通じて契約日付や時間を管理できます。
契約書類の改ざんを防げるとともに、変更などを行った場合は履歴が残り、互いに確認が可能です。

 

■企業が電子契約書を導入するメリット

では、企業が電子契約書を導入するメリットについて詳しく見ていきましょう。

・スピーディー且つグローバルな契約の成立

電子契約書を導入することで、契約がスムーズかつスピーディーに成立できるようになります。
契約書類を準備しなくても、パソコンなどを使ってデータ送信でやり取りができるので、いつでもどこでも契約できる環境が整い、遠隔地やグローバルな契約もスピーディーに成立させやすくなるのがメリットです。
従来の印鑑証明に代わる電子署名を取得しておけば、いつでも簡単に契約の同意ができるようになります。
いちいち印鑑証明書を役所に取りに行く必要がなくなり、書類の添付漏れなどの不備も防げ、より速く、効率的に契約が成立できるようになるのです。

・契約手続きの効率化

データ上で契約書類を作成できるため、ひな型が容易に作成でき、多様な契約に対処しやすくなります。
相手との条件交渉を通じて契約内容に改変を加えたいときも、紙の書類のように一から作り直す必要がありません。
柔軟に契約内容や条件を改定して、お互いですぐに確認が可能です。
一方でタイムスタンプの利用やいつ改定したかの履歴が残せるため、勝手な改ざんがしにくいのもメリットです。
データとして半永久的な保管が可能なため、証拠が残しやすく、契約を巡るトラブル防止にもつながります。

・ペーパレス化

紙の書類が不要となるため、ペーパレス化によるコストカットができます。
データとして長期保管ができるので、書類の保管スペースも不要となり、書類の整理の手間や保管スペースの管理コストの削減ができ、書類保管スペースの有効活用にもつなげられます。
ペーパレス化によるカーボンオフセットで環境貢献ができ、有限な紙資源の利用を減らし、森林の保護などにつなげられるのもメリットです。
企業として求められる二酸化炭素の排出量の削減や地球温暖化防止に役立ち、CSRを果たせます。

 

■企業が電子契約書を導入するデメリット

次に、企業が電子契約書を導入するデメリットについて詳しく見ていきましょう。

・導入時のコストや手間

新しいシステムを導入するためのコストがかかり、契約のひな型の精査や電子署名の取得や管理など企業法務部門を中心に手間や労力をかけなくてはなりません。
従来の紙の書類との継続性など、これまでの運用とどう連携をさせるかも管理が必要です。
新しいシステムを導入することで社員への教育が必要になる場合や運用が軌道に乗るまではミスやエラーのリスクも伴います。
システム障害などのトラブルへの対処もしなくてはなりません。

・セキュリティ対策の必要性

契約には重要な企業機密や顧客情報などが含まれるため、万が一、ハッキングなどをされることやデータ流失などが起こらないよう、セキュリティ対策を万全に講じることが必要です。
情報漏洩のリスクを防ぐためのコストや労力がかかるうえ、万が一の情報流失に備えたトラブル対応の方法や損失や信用問題への対応、損害賠償なども含めて企業法務部門でリスク対策を講じることが不可欠です。

・二重運用になる可能性

契約の相手方が電子署名などに対応していないと運用が難しいのが難点です。
一般個人との契約でパソコンも持っていない、使えないというケースもあり得ます。
そのため、電子契約書が普及するまでは、紙の契約書類との二重運用をしなければならないなど、管理の手間がかかります。

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