コラム

廃業と売却どっちが得?会社の売却に関する7つの疑問

■会社を売る際は金額が決まっていますか?

廃業や売却を検討しているときに、どちらを選んだら自分にとって有利なのか疑問に感じている方もいるでしょう。
これまで大切にしてきた会社を手放すわけですから、さまざまな売却に関する疑問が出てきてしまって当然です。
この企業はこの値段と決まっているのか、自分たちで好きな金額を指定して良いのか……と悩む方は多いようです。
未上場企業のM&Aでは、この価格で絶対に売らなければいけないというような決まりは一切ありません。
買ってくれる相手が「いいよ。」と言ってくれれば、自分たちで売りたい金額を提示してその金額で購入してもらうことができます。
しかし買ってくれる相手もいない状態で高い金額で売ってしまった場合や相場だと思われる金額以上に売ってしまうと、買い手がつかずに時だけが過ぎてしまう可能性が高いです。
会社の売却価格というのも、だいたいの相場があり買い手もしっかりとチェックしているものです。
それなりに興味を持ってもらえるような金額を提示する必要があります。

■ズバリ!会社を売却するのと廃業にしてしまうのはどちらがお得?

どちらがお得なのかはっきりと知りたいという方も多いと思いますが、絶対にこちらがお得とは言い切れないのも現実です。
それでも廃業してしまわなければいけない状況でなければ、売るようにしてみましょう。
廃業をする際にもそのまま経営を終わらせるとはいかず、そのための時間ややらなければいけないこと、そしてコストがかかってきてしまいます。
売却も検討しているのであれば、こちらのほうが廃業してしまうよりも簡単です。
売りに出してもとんとん拍子に話が進むとは限りませんが、たまたまほしいと考えている方と出会って廃業しないで済む場合もあります。
どのようになるかは未知ですので、まずは売却を検討してみましょう。

■連帯保証は自分のままずっと続いてしまうのでしょうか?

会社を自分で経営しているときに連帯保証に入っている人もいますが、無事に売却ができた場合、基本的には連帯保証からは外れますので安心して大丈夫です。
他社に株式が移ることにもなりますので、自分の所有ではなくなり連帯保証も受けます。
もし中小企業の場合でも、所有者と経営者は一緒だと考えられていますのでそういった意味でも新しい経営者になります。
融資などさまざまな手続きで新しい代表者に連帯保証をしてもらわないと困るので、必ず変更になるので安心です。
ただ売却をする際連帯保証の手続きも一緒に含めることが条件ともなってしまうので、魅力を感じてもらえないと売れないまま残ってしまいます。

■売却に成功したときの税金は?

売ろうと思っていたときに買い手がついてくれると安心しますが、同時に税金の心配も出てくるでしょう。
株式譲渡と事業譲渡で課税の方法は大きく変わってしまいます。
もし株式譲渡の場合は売ることで受け取れたお金から必要経費をまず引きます。
そしてこの金額に20.315%の税金がかかるようになりますので覚えてきましょう。
事業譲渡となった場合には売れた後のお金は、会社が直接受けることになり利益に対して法人税が課税されます。
オーナーが受け取る株式譲渡では個人が課税対象ですが、事業譲渡は会社になりますので法人税が課税となります。
少しでも手取りを多くしたい場合は、事前の準備が必要です。

■売る場合大手との取引は有利になる?

大手企業との取引もあるということで良い印象には見られますが、だからといって高い金額で売れるかというとそうとは限りません。
今の状況がどうなっているかでも印象の与え方は変わります。
すでに大手の取引がほぼ終わっている場合や今後にそこまで大きく影響しないと感じられれば、そこまで大きい評価にはならずに終わってしまいます。
しかし今後大きな利益を生むことが根拠もあり想定できる場合は、買い手側は将来利益が増える可能性が十分に高いのでそれに見合った金額を提示してくれる可能性もあるでしょう。
これまでの結果よりも、今後の買い手側が経営者になったときの見通しを重視しています。

■会社と自分のお金の出入りが混ざっているのはどうなりますか?

もし混同してしまっていても、だいたい買い手側もオーナーが自分の財産をつぎ込んで経営することもあると知っていますので、しっかりとした説明があれば問題ありません。
それよりも、買い手側が購入したときにどのくらい売り上げが見込めるのかなどが重要ですので、どのタイミングで自分のお金も混ざってしまったのか説明ができればそこまで嫌がられることはありません。
ただ中にはあまり言いたくない過去もあり、隠して話をしたくなってしまうかもしれませんが、後から大きなトラブルにならないためにも過去の事実は正直に話しておいたほうが得策です。
万が一そのことが原因で断られてしまっても、その方が後から大事にならないで済むわけですので買い手にはしっかりと伝えましょう。

■すぐに自分が抜けても大丈夫?

このように感じる経営者の場合、だいたい自分ですべてを把握していても、もし抜けてしまったら会社が回らないケースも多いです。
その際は自分がいないと最初は難しいかもしれないことを伝え、買い手側にはじめだけ一定期間引き継ぎを行ってほしいと言われたら応じましょう。
売却後もどのように進めていけば良いのか買い手側もわかりやすいですし、働くわけですからお給料も貰えます。
中には売却して自分は違う事業をすることやリタイアしようと思っていたものの、買い手側の会社の一員として働くケースもあります。

■しっかりと話し合いましょう

いざ売却や廃業を考えると、人生の中でそんなに体験することではないのでわからないことが出てきます。
廃業しなくても良いのであれば、まずは売却から考え買い手が見つかりそうなときには正直にこれまでの経営状況や会社の事情も話しましょう。
買い手側が決まったら相談をし、スムーズに経営が回るように一定期間手助けしたほうが良いかなども話し合いましょう。
ここでは7つの疑問について答えてきましたが、もっとわからない点が出てくるかもしれません。
その際は会社の売却や廃業に詳しい弁護士に相談しアドバイスを受けてみましょう。

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