コラム

基本的な裁判の流れを解説!

■ 裁判ってどういう風に行われるの?

裁判というと皆さんはどんな様子をイメージするでしょうか。
ドラマなどでは被告人が真ん中に陣取り、その真正面に裁判長や裁判官がいます。
そして弁護人が片方に座り、もう一方に検察が座って、各々が主張をぶつけ合うシーンがよく演じられています。
実際の裁判もそうしたやり取りが行われるのですが、実はこうした場面はあくまで裁判の一部にすぎません。
実際の裁判ではいくつもの手続きを経なくてはならないのです。
今回は民事と刑事、それぞれの裁判の流れについて説明していきます。

 

■ 民事訴訟の流れについて

まず裁判をするためには起訴をしなくてはいけません。
原告となる人が訴状を書き、被告となる人がこういった用件で原告に損害をもたらしたから起訴する、といったことを裁判所に申し出る必要があるのです。
この訴状は原告本人が書くべきではありますが、代理人となる弁護士が書いても問題ありません。
裁判所が訴状を受け取り、内容が適切であると判断したらその訴状は被告に渡されます。
被告にとってその訴状内容が納得できないものなら、反論として答弁書を書かなくてはなりません。
もちろん、ここでも弁護人が答弁書を代筆することは可能です。
民事裁判ではこの訴状と答弁書に基づいて裁判が行われていきます。
まず裁判長や裁判官に向けて各々が主張を読み上げるのですが、主張の根拠を示すために証拠を提出することもできます。
たとえばお金のトラブルで裁判が行われた場合、請求書や誓約書などを証拠書類とすることができるのです。
また、裁判においては当事者だけの主張では公平性を欠くことがあるので、証人尋問と称して第三者の意見が仰がれることもあります。
こうして集まった判断材料を精査しながら、裁判長や裁判官はどちらの主張に正当性があるかを考えなくてはいけません。
そして精査が終わったら判決が下されます。
判決といっても、被告に懲役が科されることは民事ではありえません。
ほとんどの場合は慰謝料の請求が行われるのみです。

 

■ 刑事訴訟の流れについて

刑事においてはまず警察の捜査が欠かせません。
ここでは殺人事件を例に挙げましょう。
殺人現場に残された遺留品などを細かくチェックし、警察は犯人を割り出します。
容疑が固まったら犯人は逮捕されるのですが、この時点ですぐさま裁判へと移行するわけではありません。
警察によって行われた捜査内容は、検察に委ねられます。
検察は警察から渡された材料を精査しながら、容疑者は本当に殺人を犯したのか、冤罪の可能性はないかを慎重に見極めなければいけません。
そして確実にこの容疑者が殺人を犯した、と判断できたら起訴し、刑事裁判が開始されるのです。
刑事裁判ではまず裁判長が確認事項を容疑者に報告することからスタートします。
あなたは本当に容疑者本人か、こうした内容で起訴されているがそれを認めるか、あなたには黙秘権が認められている、といったことを通知しなくてはいけません。
仮に違う事件の容疑者を呼び出してしまっていたら大変なことになりますから、こうした手続きを踏まなくてはいけないのです。
続いて検察が事件の内容をその場で読み上げ、起訴するに至った理由を裁判長に説明します。
そのあとで弁護人が起訴内容に対して反論を行っていかなくてはいけません。
それとあわせて証人尋問が行われるのは民事と同様ではありますが、刑事においては証人尋問の意味合いが少々違います。
民事の証人尋問は第三者の客観的な意見を仰ぐために行われがちですが、刑事では情状酌量の余地があるかを確認するために証人尋問が行われることがあるのです。
たとえば被告の友人が出廷し、被告人は日頃から被害者に鬱憤を溜めていたから殺人に至ったかもしれない、と証言することがあります。
証拠調べが終わったら、検察と弁護人はそれぞれの求刑を裁判長に伝えます。
被告に情状酌量の余地はないから死刑だ、いや情状酌量の余地があるから無期懲役に減刑すべきだ、ということを主張するのです。
実際に刑罰をどうするかは裁判長と裁判官が合議を行いながら、多数派の意見を採用しなくてはいけません。
そこで出た結論を判決として被告に伝えたら、裁判は終了となります。

 

■ 実際に自分が裁判を行うことになったら……

ここまで裁判のおおまかな順序について説明してきました。
読者の中にとっては、確かに学んでおいて損はないかもしれないけれど自分が裁判に巻き込まれることはありえないだろう、と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、突発的な事故や近隣住民とのちょっとしたトラブルでも裁判を起こされる可能性はあります。
もしものときに備えて知識はしっかりと蓄えておきたいものですが、それでも不安は残るでしょう。
もし読者の方が裁判に巻き込まれるような事態に陥った場合は、身近な法律事務所に相談するのが一番です。
法律の専門家がしっかりとした知見に基づいて説明してくれるので、心配事はほとんど解決されるでしょう。

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